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自成道とは
4つのメソッド
ごあいさつ
プロフィール
自成道の魅力
ごあいさつ
30余年の間、ヨーロッパの文化的土壌の上で生活してきた私にとって、武道は正にアイデンティティの証だった。日本の武道の骨格になるのは何かということを一所懸命に考えてきた。その産物として、武道は人間の身体と精神を鍛える上で極めて優れたメソッドであり、それは文化の違いを超えて活用できるという論理を見出せたと思う。
「自成道」というのは、その名が示すように、「自ら成すことによって、自らを成す道」である。その方法論は次のような考え方がベースになっている。
まず、私は苦しさに耐えることで人間が〈本当の意味で〉強くなれるとは思わない。いい土壌で水と太陽が十分にあれば、植物は大きく育つ。人間も同じように、健やかに伸び伸びと育った方が真の耐久力と強さを得ることができる。しごきや苦しさに耐えるような稽古ばかりやっていると、限られた状況では強くなったつもりでも、性格が偏った芯のもろい人間ができやすいと思う。そのような実例を多くみてきた。
私は現代における人類の最大のテーマは、どのようにして人間が質的に向上できるかだと思う。100年後といわず50年後の世界情勢を考えてみられたい。自然環境、国際政治環境といったものが改善されるためには、人間の意識の変化が必要だと思う。
大げさに考える必要はない。自分の身体という一番身近なものを見直し、人間が身体で生きている意味を考えてみることが、意識変化の第一歩だ。
身体を動かすことによって意識を訓練し、訓練された意識によって身体を導き訓練していく。武道にはそうした方法が整然と眠っている。武道の現代的および未来的な意義は、それを一般性のある方法として活用することにあるのではなかろうか?
しかし現実には、武道の専門家といわれている人々の意識は、自分の関わる分野で精一杯で、そうしたグローバルなアプローチや発想は武道の世界では皆無に近い。どうすればよいか?
武道の枠を取り壊して、武道の世界からはみ出してみよう。武道に納まっている方法論を、意識と身体の訓練法として幅広く捉え直す試みは、武道の枠の中だけではできない。もともと武道に無関心だった人たちが、武道を見直すような状況を作れないものだろうか。そうした人たちが集まれば、新しい発想がでてくる。そのためには武道をコアとして、その周辺領域を作り、これを発展させていけばいいだろう。
そうした発想から私は「自成道」を、気功、太極拳、エネルギーダンス、自成武道の四つの分野で組み立てた。全てが有機的につながっているので、どの分野をコアにしても良い。だから、気功、太極拳やエネルギーダンスをやり始め、そこからスムーズに武道に入っていく人も少なくない。そのようにして、武道に眠る方法を広く捉え直すことによって、活動分野を広げることができ、武道そのものもそれによって深めていくことができる。
日本の幅広い層の人たちが「自成道」に出会い、自分の身体を動かして〈人間は身体で生きている〉という一番基本的なことから学んでいただきたい。その意識の訓練と身体の訓練を通して、生きている喜び・健康であることを感じていただけたら幸いである。
時津賢児 代表師範
プロフィール
1947年
山口県生まれ
1971年3月
一橋大学社会部卒業
4月
渡仏
10月
パリ第4大学哲学科に入学
1972年
パリ第5大学社会学部修士課程に入る。
1974年
修士課程終了。同年10月パリ第5大学社会学部博士課程に入る。
1982年
社会学部博士課程終了。
1985年〜1989年
パリ第5大学体育学科にて講師を勤める。この間、フランスにおけるスポーツ、体育社会学、体育教育学、スポーツに関する法的な問題、フランスの市民スポーツの状況、ヨーロッパにおけるスポーツ、オリンピックと国際政治問題、暴力問題などを研究。
フランス外務省主催メヂシス
1989年
パリ第7大学東洋文明学科博士課程に入る。
12月
パリのユネスコにて「武道と自己同一性」というテーマで講演する。
1993年
パリ第7大学博士課程終了。
1994年
フランス国立大学における助教授資格を得る。
パリ大学ソルボンヌ文化人類学研究所における研究員となる。
Laboratorie d'Ethnologie de la Sorbonne
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